2010年02月16日

古布・押絵の箱「日だまり」できあがり

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グッド(上向き矢印)「日だまり」できあがりです♪

早春にしては暖かい昼下がり

縫い物をするお母様とそれをじっと見つめる

女の子。。。

お母様は忙しい時間を割いて

お人形の着物を縫っているのです。

私が幼い頃 母親がよくお人形の服や

着物を作ってくれたので

そんな思い出も融け込んだ作品です。

そばで三毛猫がのんびり顔を洗っています。

これは私が小学校の頃に飼っていた猫が

モデルです。

ゆっくりとした時間が流れていた時代の

ひとコマを表現してみました。

押絵の人物をより際立たせるために

背景はあえて描かず 白木の箱の肌を

そのままにしました♪

下絵を描いた時に 日当たりの良い

縁側続きの部屋をイメージしました。

昔の家には縁側が必ずついていたものです。

そんな縁側のある家に憧れています。

昔のお母さんはそこで布団をとじ直したり

近所の人にお茶を入れたり

ザルにかき餅を入れて干したりしていました。

縁側からは庭が眺められ 

夏には縁側に腰掛けて子供達が花火を楽しんだり

スイカを食べたり。。。

冬には雪見障子ごしに雪景色を楽しんだり

あ〜全く 考えれば考えるほど

昔の日本の家って本当に素敵ですね!

私の生まれた家もそんな古い日本家屋だった

そうです。赤ん坊の時しかいなかったので

覚えてはいませんが、どういうわけか

懐かしくてたまりません。

そんな古い昔の家の暖かい日だまりにいる

この母と娘はどんな時間を過ごしていたのかな〜

と想像してみました。

Cam_7718.jpg
グッド(上向き矢印)箱のアップです。

するとこんなささやかなストーリーが浮かんできました。

お時間がありましたら そんな

大正ロマンな時間を味わって見ませんか↓




日だまり

まだ立春を過ぎたばかりというのに縁側のそばのお座敷には
日が一杯にあたっていてとても暖かです。
女の子はあまり広くはないけれど、手入れの行き届いたお庭で
さっきまで遊んでいました。

そして園丁さんが色々な植木に寒肥の草木灰をやっているのを
不思議そうに見ていたのです。
園丁さんはわざとおどけた格好で「花咲じじいでござい!
枯れ木に花を咲かせやしょう!」と灰をあちこちに蒔いて
女の子を笑わせていました。
女の子はこの年寄りの園丁さんが大好きでした。

庭には早咲きの赤い椿がちらほらと咲き始めておりました。
女の子がほしがったのでさっき園丁さんがお母様のお許しを得て
「はいよ、嬢ちゃん」と一枝椿の花を切ってくださいました。
それを持ってお座敷へあがるとお母様が何やらお針を始めています。

何を縫っているかを知った女の子は思わず「ばんざい!」と
叫びました。
お母様は以前からほしくてたまらなかったお人形の春の
新しい着物をこしらえて下さっているところだったのです。

お母様ははしゃぐ女の子を見て微笑み、また縫い物に
目をもどしました。
ひと針、またひと針。。。小さな小さなお着物をそれは
丁寧な細かい針目で縫い進んでいらっしゃいます。

Cam_7708.jpg

お母様が古い残り布にささっとハサミを入れるとたちまちそれは
小さな着物の形となってみるみるお人形の可愛らしい
振袖になってしまうのでした。
まるで女の子にとってそれは魔法を見ているようでした。

じっと静かに見ていると、となりの応接間の柱時計の
チクタク言う音がここまで聞こえてきます。
時折お庭の方で園丁さんの心地よいハサミの音。。。
ふとお母様のお顔を見上げると、きちんと丸髷を結った
その横顔は何やら物思いにふけっているようすです。

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「きっとお父様のことを考えているのだわ」と
女の子は察しました。
お父様は商社にお勤めで、今お船にのって遠い遠い
知らないお国へご洋行されているところなのです。
もう出かけられてから2ヶ月がたちました。

女の子に「青い目の可愛いお人形を買ってきてあげるよ。
お雛祭りには必ず帰るからね」と約束して下さった
優しいお父様。。。
女の子も何だかお父様に会いたくてたまらなくなってきました。

そこへ三毛猫のミー子がのっそりとやってきました。
今年10才にもなる老猫です。
そして暖かい日だまりに座ってのんびりと顔を洗い始めました。

そうだ!お着物ができるまでミー子と遊ぼうっと!
女の子は何だか嬉しくてたまらなくなってお人形の
松子をお母様のおそばへ置いてミー子を抱っこすると
また縁側の方へ出て行きました。

庭の木々がどれもこれも日の光を浴びて輝いていました。。。

お母様はつと立って、女の子がもってきた椿の花を
小さな一輪挿しに活けました。

遠くの冴え冴えとした青い空をムクドリの群れが
どこかへ飛んで行くのが見えました。

庭のむこうでまた女の子の笑い声がしました。

(おわり)

。。。。。。。。。。。。。。。。。。

今日も最後までお読みいただきありがとうございます。

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posted by おとめ at 22:43| Comment(4) | 押し絵時間 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
乙女さん、こんにちは!

とても素敵な押し絵の箱!
白木の背景で目立ってますね。

それはそうと、雑誌を昨日購入しました。
初めて見る等身大の乙女さん…
想像以上の可愛さにびっくり〜
年上の方に言うのは失礼かもしれませんが、とっても可愛いです!ますますファンになりましたよ〜。

おうちも西洋風のスタイルに和風の小物たちが解け合って、いい雰囲気ですね。
乙女さんのページは古布の雑誌にぴったり合っていました。
それにしても20年もハンドメイドしてあるなんて驚きです。趣味もそこまでなれば玄人級ですね。
私も見習いたいと思います。

では〜!(*^o^*)ノ


Posted by 夢見 at 2010年02月18日 10:54
夢見ちゃんこんばんは〜!
ありがとうございます。とても滑らかで綺麗な白木の箱を東急ハンズで見つけて、ここに何か押絵を貼りたいな〜と思ったのがきっかけです♪

もう雑誌を購入していただいたのですか?!
まあ〜すみませんねえ。夢見ちゃん、本当にありがとう!嬉しいです。

写真が程よい小ささなのでシワもシミも見えませんからね(笑)よかったです。

うちのマンションも撮影の時は必死で片付けたので、狭いところでもプロの方が撮るととても広く写っているので本人がビックリしてます。
普段は古布で足の踏み場がないんですよ〜おっとイメージ壊しちゃいけないね〜(><)

自営業と共存で続けるにはいろいろ大変なこともありましたが古布にたずさわっていつのまにか20数年たってしまいました。気がついたら趣味ではじめたことも仕事になっていました〜

これからも皆さんに喜んでいただけるものを制作していきたいと思います。
夢見ちゃんの今後の作品もとても楽しみにしていますよ〜。
Posted by おとめ at 2010年02月18日 21:41
素敵ですね。 造って頂きたいですね。
Posted by うさぎ at 2016年04月01日 03:23
うさぎさん、そして他の皆様コメントにお返事がなかなかできず申し訳ありませんでした。
皆さまの応援をひしひしと感じます。本当にありがとうございます。

元気一杯とは言えませんがなかなか頑張ってはいるおとめです。

これからも作品はぼちぼち発表させていただきますので、どうぞ宜しくお願いいたします。
Posted by おとめ at 2016年04月08日 21:12
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